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2017-12-15 もし波田野 裕一がTyphon666_deathの【もしそこらへんの運用担当者が波田野 裕一の『「運用改善」を考える ~「自動化」を考える前に』を読んだら】を読んだら

この記事は #ssmjp Advent Calendar 2017 の15日目です。

12日目はTyphon666_deathさんの「20171212 Online Dating App Know how Do how(Ver3)」、13日目は、tigerszkさんの「ssmjp2017 ~今年一年の振り返り~」、14日目はockeghemさんの「2017年に登壇した勉強会を振り返る」でした。(セキュリティクラスタ強力ラインナップですね) 明日はSonoda Michioさんです。

12/12開催の「#ssmjp 2017/12 〜はたのさん祭〜」にご参加したみなさん、運営メンバーのみなさん、一緒に登壇してくれたtogakushiさん、Typhon666_deathさん、本当にありがとうございました。

自分の発表した資料は、以下で公開しました。(オリジナルから少し修正しています。)

ツイッターやはてなブックマークの反応を見る限りでは同意や共感していただける方が結構多かったのかなと感じています。

SRE本ネタについては、「論文ぽくて良資料」「理想との距離とその埋め方について触れられた技術系プレゼンは非常にありがたい」といったあたりが、自分が意識していた点でもあるので、とても嬉しく感じました。 学位取ろうぜ!という発表に、博士号を持つ方から好意的なコメントを得られたのは、実はかなり嬉しい:D

運用自動化ネタについては、昨今の「運用自動化ブーム」はかなり危険な香りを感じていて、秋のSRE本発刊も相俟ってかなり酷い事が起こるんじゃないかと危惧して作成しました。 自分もかなり無邪気に自動化して、大規模運用の現場でそれなりに劇的な改善を実現したことがある一方で、壮大なブーメランをくらったり、メンバーに多大な迷惑かけたり、超ブラックボックスな自動化ツールに巻き込まれて酷い目にあったりと、それなりの経験を積んできました。 今回はその一つの決算として、ほとんど全て新規にスライドを作成しながらまとめてみました。(20分で69枚はやりすぎだけど)

Typhon666_deathさんの発表は、過去の波田野の発表資料「2015-06-23 「運用改善」を考える 〜「自動化」を考える前に」をもとにした実践の話で、原著作者も目から鱗の素晴らしい発表でした。感動。 間違いなく運用価値感は共有できてる、そうそう、そうなんだよ! って呟きながら聴講してました。(資料魔公開なのが残念。) (しかし、インターン超優秀ですねぇ。社会人たちが情けないとも言えるのか。。。?)

さて、Typhon666_deathさんの発表を聞き&資料を読みながら、ふと「最も大事な事業最適化の部分を整理する方法が抜けているな…」と気付いたのでした。 実は、上記の資料は未公開資料のうちのさわりの部分を再構成したもので、オリジナルの資料はその後に120ページくらいの分量があるやつだったりします。 今日は、そのうち「事業への最適化」に必要な作業についてまとめたものを公開してみました。

いずれちゃんとした文章に起こしたいとも考えています。

また、初代主宰togakushiさんの手順書ネタは、ちょうど自分も研究会論文書いたテーマと同じなので、議論してみたいです。(ITシステム運用手順書における構造化手法の提案)。 2月くらいに30分枠くらいで狙ってみようかな。

最終日のtogakushiさんには、是非、

“もしtogakushiが【もし波田野 裕一がTyphon666_deathの「もしそこらへんの運用担当者が波田野 裕一の 『「運用改善」を考える ~「自動化」を考える前に』 を読んだら」を読んだら】を読んだら”

というコラムを書いただきたいな、と思っています:-)

2017-12-30追記

書いていただきました!

http://ssm.pkan.org/advent-calendar/%e3%82%82%e3%81%97togakushi%e3%81%8c%e3%80%90%e3%82%82%e3%81%97%e6%b3%a2%e7%94%b0%e9%87%8e-%e8%a3%95%e4%b8%80%e3%81%8ctyphon666_death%e3%81%ae%e3%80%8c%e3%82%82%e3%81%97%e3%81%9d%e3%81%93%e3%82%89/

はじめてのはたのさん「はじハタ」

初めて@tcshさんにお会いしたのはささみの初期の初期の頃で、その時も運用のネタでした。

後日、伺ったところでは第7回の勉強会で、かつ外部の発表者では最初だったらしいです。 ネタはInterner Week 2009で発表した「運用方法論」でした。 会場に着いた、ひょろっとした徹夜明けみたいな生気の薄い人が迎えに出てきたなーと思ったら、それが主宰の @togakushi さんでした。 (今はものすごくオーラを感じます。)

話を聞いて「めっちゃ理想論ですやん。ぶっちゃけこんなのやるの無理ですやん。」って内容の質問したことを覚えてます。 その時@tcshさんからは「理想は掲げないと、現実とのギャップを知ることができない。それを目標にすれば次に何をやるべきかがわかる。」という趣旨の回答をもらったことも覚えています。

質疑応答自体は覚えていないんですが、発表内容においてかなり理想を追求している感は自分にもありました。 が、これは当時まで携っていた大規模な運用現場において日々の現実に追い回され続ける中で「日々見えている事象に対して努力しても、大きく何かが変わることが無い」という気付きから、「まず理想を明確にせよ」という観念が自分の中で明確になっていった記憶があります。

自分はそれを聞いて「最初から完璧になんてできないんだから、どう変えていくのかを考える材料にすればいいのか」と思いましたし、今もそう思ってますし、何をするにしても一度は理想形を思い描くことをするようにしています。 今思えば、考え方というか、生き方を変える一言だったような気もしますw

ちょっと褒め過ぎ感があってこそばゆいですが(笑)、ずーっと前に自分の伝えた事を、何らかの形で活かしていただけていることはとても嬉しいです。 自分は、今でも「己(AsIs)を知り、理想(ToBe)を知れば、改善殆からず」だと考えています。 常に理想(ToBe)のあり方を考え続けるのは、しんどいところもありますが、楽しくもあり、やりがいのある事だなぁと思う日々です。

いつものはたのさん「いつハタ」

@tcshさんの発表は理論を組み立てて説明してくれるので、肌感覚だけでやってる自分にとって、とてもありがたい話です。 モヤモヤしてた部分がスッキリするので、毎回毎回楽しみで、ついつい質問も弾んでしまいます。

自分も、ずーっと肌感覚でやってきてました。が、大規模な運用ってそれだけだと回らなくなってくるんですよね。 たとえば、午前2時にベンダーから「ワールドワイドで初めてですねぇ」とか連絡もらって「夜明けまでにどっすっかねぇ」と自分で考えるところからスタート(でも9:30の朝礼には出て日勤やらないと怒られる)みたいな。 まさに”「笑うしかない状況」が楽しくなったら勝ち”と思える状態になってくると、小手先の対応では隘路に追い込まれる感が半端なくて、根本から考え直さないとやっていけないことに気付いていった、というのが大きいと思います。 これ以降、根本的な疑問を整理して、論理的に考えて、結論を出して、結論に向けて自分がやれるところから順番に積み上げる、という癖が少しずつ付いていった気がします。 (ただし、組織の壁にぶちあたってあきらめることも多々あった。)

どうやら質問のし過ぎなのか、はたのさん祭りで質問した時は「一番怖い人から質問来た!」って言われちゃいましたw

ゼンゼンコワクナイヨー?

@togakushiさんの質問はかなり本質突いてくるので、メンタルポイント確保のためにちょっと身構えちゃうだけなんですよ!

シツモンダイカンゲイデスヨー

自動化、手順書については、来年も積極的に議論をぶつけあっていきたいですね。 (2010年のjus勉強会でSphinxをテーマに意見交換するようになって以降、@togakushiさんと自分の運用人生は、Sphinxを通じてクロスオーバーしているところが多いに違いないと自分は思っています。)

来年は

来年も #ssmjp で発表できるように頑張ります。 参加していただいたみなさん、ありがとうございました。

資料作りながら胸痛かったけど、みなさんの共感具合に更に闇の深さを感じる一日でした….

以上、もし波田野 裕一がTyphon666_deathの【もしそこらへんの運用担当者が波田野 裕一の『「運用改善」を考える ~「自動化」を考える前に』を読んだら】を読んだら、新しい資料を公開する、でした。